難病を患う3歳の少年の夢は延期されることに…すると14台の消防車が彼の家に駆けつけ、思わぬ事態に。

新型コロナウィルスで世界中が影響を受けている中、人々はお互いに交流することを禁止され、ソーシャルディスタンスを保たなければいけません。

そんな中でも毎日働いているのは医療関係者だけではなく、警察や消防、食料品店従業員などの人々がいて、人々の生活を支えてくれています。

そして警察や消防が、ある病気の男の子を応援するため一役買って話題になっています。

人々が外出できない今、何台もの消防車がある家の前を通っていきました。一体どんな事情があったのでしょうか。

アメリカでは警察と消防が学校を訪れたりして子供たちと交流したり、定期的にイベントを開催するなど、警察官や消防隊員は市民ととても深くつながっています。

その中でも子供たちへのケアは特別なものがあります。

 

 

米ワシントン州に住むジルとタイラー・キンケイドには2人の息子がいます。3歳のエリと9歳のカレブです。

 

『6月のディズニーへの旅行楽しみだね!!』

 

 

一家は本来なら6月にフロリダ州のディズニーワールドへ旅行に行く予定でした。

しかし新型コロナウィルスの影響で旅行はキャンセルとなってしまいました。

 

 

 

そしてそれはただの家族旅行ではなく、『メイク・ア・ウィッシュ旅行』という旅行だったのです。

 

 

 

Make-A-Wish(メイク・ア・ウィッシュ)は米アリゾナ州から始まった難病の子供たちの夢を叶える団体で、1980年に発足しました。

難病を患う18歳以下の子供たちは、有名人に会いたい、旅行に行きたい、など叶えて欲しい自分の夢を申請することができます。

そしてほとんどすべての願いは、『難病の子供たちを笑顔にしたい』と願うボランティアたちの協力や寄付金によって叶えられるのです。

 

 

今もアメリカのMake-A-Wish団体では、平均35分毎に子供たちの夢が認可を受けています。

 

 

 

ジルとタイラーの3歳になる息子エリは『アレキサンダー病』という難病にかかっていたのです。

 

アレキサンダー病は日本では患者数が50人と言われる難病で、アメリカではこれまでに500例の報告がある程度の稀な病気。

 

 

この病は大きく「大脳優位型」、「延髄・脊髄優位型」、「中間型」の3つの型に分類できます。大脳優位型の場合は主に乳児期に発症し、けいれん、頭囲拡大、精神運動発達の遅れの3つが主な症状です。(※難病センター)

 

 

エリがこの難病にかかっていると診断されたのは2018年7月のことでした。

 

 

それはエリがまだ18か月の時。

 

 

 

 

この病気は筋萎縮性側索硬化症(ALS)のように時間の経過とともに、身体の機能が停止し始め、亡くなってしまう恐ろしい病気。

そう医師に告げられたジルとタイラーはショックを受けます。

 

 

 

少し発達の遅れが見られ始めたエリは現在、抗てんかん薬によりけいれんを抑えている以外はとても元気に育っていますが、10歳になるころまでには車いす生活になるだろうと考えられています。

 

 

 

そんなエリを元気にしたい!と『ディズニーワールド旅行』を申請し、許可が下りて旅行は2020年6月と決定したのです。

 

 

しかし…

 

 

 

『旅行は延期だって…』

 

 

新型コロナウィルスがアメリカで爆発的に感染拡大している最中、この楽しみにしていた旅行も期日未定の延期となってしまいます。

 

また、この旅行のキックオフとしてMake a wishのチームメンバーが消防署を訪れる予定だったのですが、それもキャンセル。

 

ところが、チームメンバーはそれで諦めることはありませんでした。

 

 

 

『旅行はダメ…それならパレードをやるっていうのはどう?』

 

 

 

『それすごくいいアイデアじゃない!?』

 

 

 

パレードなら、エリ本人や家族たちだけでなく、この暗い空気の漂う時期に隣人たちをも明るい気持ちにさせてくれるかもしれない…!

 

そう皆が賛成し、パレードが行われることになりました。

 

 

 

そして、このパレードにエリが参加できるよう、Make a wishチームはエリに消防車のトイカーをプレゼントしてくれたのです。

 

 

消防車が大好きなエリにとってはこれは願ってもないプレゼント。

 

 

 

そして当日。

 

 

 

この日はエリにとってとても大切な日となります。

 

 

パレードを隣人たちが参加できるように告知、参加希望者は近くのシーダーパーククリスチャンスクールの駐車場でソーシャルディスタンスを取りながら見学することに。

 

 

 

 

『こんなに多くの人が集まってくれるなんて…』

 

 

 

家族が驚いたように、パレードにやってきたのは14台の消防車に5台のリンウッド警察署のパトカー、そしてサポート7の車など。

 

 

そして40家族以上の人たちが、バルーンやシャボン玉を作ってパレードを盛り上げてくれたのでした。

 

 

 

 

このパレードは、エリや家族を始め、隣人たちコミュニティーの人々の気持ちを明るくさせてくれただけでなく、Make a wishチームのメンバーをも幸せな気持ちにしてくれたようです。

 

 

 

治療法のない難病と闘うエリはこれから大変な試練が待ち構えています。

 

 

 

エリは毎年、この病気についての研究を進めるためフィラデルフィアの病院に通っています。

そしてまさに臨床試験を始めようという段階でした。

 

 

 

 

しかしそれも新型コロナウィルスの影響により、延期となっています。

 

 

治療法が一日も早く確立されますように…と母ジルは、アレクサンダー病の研究費用のための募金を募る活動を始めました。

 

 

 

Make A Wish団体はアメリカ全土に広がって、今も子供たちの夢を叶えるべく活動をしています。

 

今回この素敵な企画を実現したMake A Wishアラスカ&ワシントン部では135の企画が延期されています。

 

世の中がまた安全に動き始めた時、難病の子供たちの夢を叶える活動は再開される予定なのだそう。

 

 

そして、Make A Wishはアメリカ国内だけでなく、日本にもあります。

 

2019年には226人の難病の子供たちの夢がかなえられたというので嬉しいですね。

 

 

こんな大変な時期だからこそ、助け合い、お互いに笑顔になれるような生き方をしたいものですね。